シュリシュリ・ラヴィ・シャンカール

略歴

ヨガの大家として、また平和・人道活動家としても知られる。
『一人ひとりの心のストレスを取り除くことで、平和な世界をつくりだす』ことを信条に毎年世界40カ国以上を巡り、市井の人々から世界のビジネスリーダーまで、社会階層のすみずみに働きかけを行い、暴力やストレスのない社会の実現に向けた取り組みを続けている。

平和活動家として

1956年、南インド・タミルナドゥ州に生まれる。マハトマ・ガンジーを支えたスーダカール・チャトゥルヴェディ氏の教えを幼少から受け、17歳で現代科学とヴェーダ哲学の学位を修める。29歳のときには、インド首相よりヨガ・シロマニ(悟りに達した崇高なる教師の意味)の称号を受ける。

平和・人道活動家として毎年40か国以上を訪れ、イラク、アフガニスタン、コソボ、スリランカ、中東など世界各地の紛争解決や、スマトラ沖地震被災地などでの復興支援、トラウマ解消プログラム、刑務所での受刑者更生プログラムなど、多方面にわたる社会貢献活動を行っている。

特に紛争問題の解決においては、宗教や文化的背景に左右されず、「平和」の一点のみを停戦の調停や和解協議の議題とする中立的な存在として国際的に知られており、 紛争地域で平和を願う人々の大きな希望となっている。イラクやコートジボワール、カシミールやビハール州でも、敵対する当事者たちを 交渉のテーブルに引き合わせたことでも、大きな評価を受けている。特に最近では、南米コロンビアを訪れ、革命武装組織FARCのメンバーと対話し、50年にわたる内戦を終結へ導いた功績が、世界から大きな注目を集めている。

 

ヨガの大家として ~アートオブリビングの設立~

ヨガの大家でもあるシュリシュリは1982年に教育・人道NGO「アートオブリビング財団」を設立。「暴力やストレスのない世界を作る」ことをミッションに掲げ、世界中でヨガの指導・普及にもつとめている。ストレスフリーに生きるための実用的なスキルを提供する各種ワークショップは、世界155カ国、3.7億人が受講しており、多くの人々の人生の質の向上に大きく貢献している。特に、シュリシュリが考案したスダルシャン・クリヤ呼吸法の習得が軸となるワークショップ(Happiness Program)は、アートオブリビングの数あるプログラムのなかでも核となっている。

 

「国際ヨガの日」制定への道

2011年には、「国際ヨガサミット」をインド・バンガロールにあるアートオブリビング・インターナショナルセンターで開催。故BKSアイアンガー師やラムデヴ師らインドを代表するヨガマスターたちが流派を超えて一同に介する機会を作り、インドヨガ界の意見をまとめ、国際ヨガの日制定へ尽力した。このときに集められたヨガ界の巨人たちの署名が契機となり、インドのモディ首相が国際連合に対し「国際ヨガの日」を提唱。実際に制定に至ることとなった。

2015年6月に世界中で開催された「国際ヨガDAY」第1回イベントでは、ニューヨークの国際連合本部で当時の潘基文事務総長など国連職員などに対し、シュリシュリがインドのヨガ界を代表してヨガの指導を行なった(その模様はこちら United Nations公式YouTube)。

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ヨガと平和・社会貢献活動

シュリシュリが尽力するヨガと社会貢献は、異なる分野の活動に見える。しかし、シュリシュリにとってヨガは、習得すればそこで完結する「目標(ゴール)」ではない。まずヨガの実践によって、一人一人が心の平和を維持すること。それができてようやく、さまざまな人々が共存し、幸せに生きていける社会や、暴力や争いのない平和な世界を、私たちの手で形作ることができる。つまり、ヨガは社会をよりよく変えていくための、調和の取れた世界を作るための、非常に現実的でパワフルな「技術(スキル)」なのである。

世界のリーダーたちとのイニシアティブ

近年では、上記の活動に加え、国連ミレニアム平和サミットやNASA、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)、欧州議会にも招かれ講演を行った他、世界銀行グループをパートナーとし、世界中のビジネスリーダーを集めた国際会議「ビジネスにおける倫理のための世界サミット」の開催や、スイス・チューリッヒにある国際サッカー連盟FIFAを舞台にした国際会議「スポーツにおけるリーダーシップと倫理についての世界サミット」の開催にも力を注いでいる。

 また、2015年4月には、欧州議会にて、欧州議会史上初となるヨガについての講演・指導を実施(その様子はこちら:YouTubeビデオ)。2017年4月の来日時には、日本の国会議員からなる「ヨガ推進議員連盟」が設立され、シュリシュリ自ら衆議院議員会館にて議員有志に指導を行った。

シュリシュリは世界のトップリーダーたちと会う先々でヨガや瞑想を行い、「世界の平和、暴力のない社会は、ひとりひとりの心の平和から始まる」という気づきを世界の多くのリーダーたちにもたらし、平和構築のスキルとしてのヨガの普及活動を続けている。

普通に生きる市井の人々から、世界政財界のトップに至るまで、社会の隅々にいたる働きかけを行い、暴力やストレスのない社会の実現に向けた取り組みを続けているシュリシュリ。長年の献身的な活動が評価され、2006年にはノーベル平和賞の候補となった(出典BBC)。インドでは民間人に送られるインド国勲章パドマ勲章の最高位である「Padma Vibhushan」を、2016年に受賞。その他、ロシア、アメリカ、モンゴル、南米諸国などから、さまざまな名誉賞が授与されている。2012・13年来日時には、首相官邸を公式訪問した。

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