天国への扉

2013年04月26日

Nusa Dua, Bali

2013年4月16日 インドネシア・バリ、ヌサ・ドゥア

この世界はとても美しいものです。
数多くの種類の花、果物、植物、動物、人々が存在しますよね。
その多様性は、私たちが幸せになるために存在しているのです。
しかしながら、私たち人間の心は、自らが幸せになることを
許さないのです。一番心地よい場所にいたとしても、心や考えは
過去のことにとらわれてしまうのです。これはとても不思議なことですね。

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私たちの心や考えは、とても謎に満ちたものです。
一番の親友にもなりうるし、最悪な敵にもなりえます。
また、心の状態は、私たちの幸せ、不幸せの状態を左右します。
もし、心や考えが、今この瞬間にあるとすれば、目の前のあらゆるものが
とても美しく見えます。ですが、混乱している場合は、たとえ最も
素晴らしい場所にいたとしても、あらゆるものが不幸せへ導くものとなります。

心や考えの動きには5つの特徴があります。
1つめの特徴は、すべてにおいて証拠をほしがります。
どのようにして、あらゆるものの証拠を得るのですか?
それは不可能なことです。
2つめは、物事をありのままに理解することができず、
違う風にとらえようとします。あなたが何か考えても、後々になって
それは誤りだったことに気がつきます。
そして、少したってから、概念が崩れるのです。
これはViparyaya(ヴィパルヤヤ/ サンスクリット語)と言われます。
3つめは、独自の想像力を持っていて、ありもしないことを想像します。
4つめは、眠りに落ちてしまうことがあります。もし何も考えなかったら、
動きを止めてしまうのです。5つめは過去の記憶や将来の不安にとらわれます。
これら5つの特徴は私たちが今の瞬間を生き、楽しむことを妨げてしまいます。

そこでヨガが変化を起こします。
ヨガによって、心や思考のこういった特徴を乗り越えることができるのです。
どう可能なのか、見ていきましょう。
まず、私たちはいつかはすべてを手放して、この世を去るということを
知りましょう。この世を去る時、私たちは何も持っていけません。
不幸せになる原因は、あれもこれも私のもの、と執着することなのです。

今までも、よく話してきましたが、ある出来事についてお話しましょう。
私がカナダを訪れていたとき、60代の女性が私が滞在していた家を訪ねて
きました。すでに夜中の11時半、12時ごろでしたが、その女性は、今、私に
会いたいというのです。
階下に降りると、彼女は児童支援プロジェクトへの寄付として
100ドルの小切手を私に渡すのです。なぜそんなに急いだのか、
翌日渡せたのではありませんかと聞くと、彼女は答えました。
「グルジ、私は他の人のことは信じることができるのですが、
 自分のマインドは信用できないのです。」

彼女は、1時間ぐらい離れたところに住んでいて、4分の3の距離を進んだところで、
小切手を渡すために引き返してきたそうです。
「このアイディアが浮かんだ時、私は今しなければならないと思ったのです。
 なぜなら、私の考えは明日変わってしまうかもしれないからです。
 明日になれば1ドルも差し出さないかもしれませんし、出しても10ドルに
 減っているかもしれません。」
と彼女は言い、ある話をしてくれました。

ある日、実業家が川で溺れてしまい、近くの船に乗っていた漁師に
助けを求めました。「どうにかして助けてくれ。もし助けれくれたら、
私の全財産をあげよう。」漁師は何も言わず、彼を助け船に乗せました。
船に乗るなり、その実業家は言いました。
「やっぱり、全財産は無理です、でも半分なら渡せます。私は何もいらない
 けれども、妻と子供のために半分残さないと。」
漁師は何も言わず、微笑み返しました。
その後、岸に近づいていくと、彼はさらに言いました。
「もしあなたに半分の財産をあげたら、私は生活に困ってしまいます。
 半分は妻と子供に残すので。。。たぶん、4分の1は渡せると思います。」
そしてさらに岸に近づくにつれて、金額はどんどん下がっていきました。
そして、岸に着いたとき、その実業家はたった5ドルしか渡さなかったのです。
漁師は尋ねました。「あなたの財産はたった5ドルなのですか?」
実業家は、「私が溺れていたあたりから岸まで、どれくらいかかりましたか。
たった3ドル分です。私はそれ以上にあなたに渡していますよ。」と言いました。
このように、心は変わってしまうのです!
もし何か良いことをしたい時は、今すぐ行いましょう。
そうでなければ、心変わりしてしまいます。
私たちは、何かよくないことをする時は、すぐに行う傾向があるのに、
いいことを行おうとする時は、それを後回しにしてしまいます。

怒りを1週間、もしくは、たった1~2日の間、表さずに我慢すると、
怒りはおさまるでしょう。誰かを呼びつけて叱りたい時も、2時間待ってみて
ください。そうすると、その衝動が落ち着くでしょう。

その女性は言いました。
「これが、私が今来た理由です。自分自身のことや、アクセサリー、食事、趣味に
ついては遠慮なく時間もお金も費やすのに、何かいいことをしなければと思うと、
ためらってしまうのです。」
このようなことは起こるべきではありませんよね!

分かち合ったことのみこそが、この世を去るとき、私たちと共にあります。
心は束縛と自由の間で、大きな役割を担っています。

バガバッドギータでは、地獄への扉が3つあると書かれています。
第1の扉は、怒りです。どうやって怒りをコントロールしましょうか。
怒りをあらわすのを、少し待ってみてください。
第2の扉は、貪欲になること。3つ目は、執着心や欲望です。
私たちの心が欲望にとらわれ、周囲を大切にしないと、大きな問題を
つくりだします。

では、天国への扉を見てみましょう。
それは過去のすべての出来事を受け入れる広い心、周囲の失敗を受け入れる寛大な
心です。とらわれることなく、縛られない。これが、Vairagya(ヴァイラギャ / サン
スクリット語)、冷静で落ち着いていることです。
どんな過去でも、それがどのようなものであったとしても受け入れましょう。
象を想像してみてください。
象は木の葉、樹皮、果物を食べます、例えばココナッツの実から、竹、そしてバナナ。
バナナはとても柔らかく、竹はとても固いですが、象はすべてを消化します。

同様に私たちの人生においても、心地良いこと、不快なことがあり、
いい人、悪い人がいますね。
(私の人生においては、悪い人はいません。いい人ばかりですが、
たまに悪く行動するだけです)
何があろうと、すべてを受け入れてください。過去を受け入れることで、
今この時の幸せや安心感がもたらされるのです。
私たちは、固い樹皮から柔らかい果物まで、すべて受け入れ消化する象のように
強くなるべきです。過去を受け入れ、前へ進みましょう。これが、冷静でいることです。
冷静でいることで、どんな幸せもあなたのところにやってきます。

人生には、2通りの考え方があります。
1つめは、「私はどうだろう」「これは私にとって何の役に立つのだろう」と、
いつも自分の事ばかり考えている生き方。
2つめは「どうしたら、私はこの世界の役に立つことができるだろうか。」と
考えることです。

日々の生き方を「私は世界から何を得られるのだろうか、どれくらい楽しめるだろうか」というものから、
「どれくらい、私はこの世界に貢献できるだろうか、
どれくらい役立つことができるだろうか」へと変えましょう。
違いがわかりますか?
自己中心的な考え方から、無私無欲的な考え方への変化です。
2つめの考え方をおこなうようになると、私たちが抱えている心配事は消え、
満ち足りた状態になるでしょう。

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